来年も石川県で大型物流拠点が複数棟竣工予定
近年、いわゆる 【2024年問題】 により、日本国内の物流網再編が進む中、 北陸エリアでも物流施設の整備が活発化しています。
石川県でも2026年にかけて、複数の大型物流倉庫が竣工する予定です。
これらの動きは物流企業の需要増だけでなく、賃貸・売買不動産市場にも大きな影響を与える可能性があります。
物流施設整備が続く石川県
― なぜ今、石川県なのか ―
物流施設の立地として石川県が注目されている背景には、以下の要因があります。
- 北陸自動車道を軸とした広域交通ネットワーク
- 中京・関西・関東を結ぶ中継・分散拠点としての位置づけ
- 比較的まとまった土地を確保しやすい立地条件
- 積雪・災害を考慮したBCP対応拠点としての需要
これらの条件が評価され、
石川県内ではマルチテナント型物流施設や大型倉庫の開発が進んでいます。
来年以降に竣工予定の物流拠点とその意味
石川県内では、内灘町・白山市をはじめとするエリアで、
複数の物流施設が来年以降に竣工予定とされています。
これらの施設は、
- 複数企業が入居可能なマルチテナント型
- 3PL(サードパーティ・ロジスティクス)対応
- 将来的な拡張・分割利用を想定した設計
といった特徴を持ち、
単なる倉庫ではなく、物流機能を集約する拠点として位置づけられています。
📌 石川県内の主な物流施設開発事例
■ 「KRD-Logistics石川内灘(仮称)」 — 内灘町
関電不動産開発が内灘町で進める マルチテナント型物流施設 は、延床面積約2万7,000㎡(約8,230坪)で、2026年5月竣工予定です。
複数テナントで使用できる区画設計となっており、物流企業・3PL事業者をはじめ多数企業が入居できる物件となっています。
立地メリット
- 北陸自動車道「金沢東IC」からアクセス良好
- 金沢市中心部から車で約20分圏内
物件の概要や資料につきましては、下記リンクをご参照ください。
■ その他の物流集積動向
📊 北陸エリアで物流施設開発が進む背景
物流施設の開発が加速する要因には以下があります:
- EC市場拡大に伴う配送需要の増加
- 3PL・倉庫ニーズの多様化
- 大都市圏からの中継・集積拠点としての北陸エリア評価の向上
こうしたトレンドは、事業用不動産の取引機会を創出し、賃貸・売買ともに活発化の可能性を示唆しています。
不動産市場への影響
― 物流拠点整備が生む3つの変化 ―
① 物流・事業用地の需要増加
物流拠点の新設に伴い、
- 倉庫・配送センター用地
- 資材置場・車両基地
- 物流関連企業の営業所用地
といった周辺事業用地への需要が派生的に発生します。
不動産事業者としては、
既存の遊休地・農地・事業用地の動向を
早期に把握しておくことが重要です。
② 既存倉庫・工場の流動化
新しい物流施設の供給は、
- 老朽化した既存倉庫からの移転
- 立地条件の良い物件への集約
- 小規模倉庫の統合
といった動きを生み、
既存倉庫・工場物件の売却・賃貸案件増加につながる可能性があります。
単純な仲介だけでなく、
- 用途変更の検討
- リノベーション提案
- テナント入替を前提とした運用提案
など、付加価値型の提案力が求められる局面です。
③ 地権者・企業からの相談増加
物流施設開発が進むエリアでは、
- 「土地を売るべきか、貸すべきか」
- 「将来的な地価はどうなるのか」
- 「今後、用途地域や規制は変わるのか」
といった地権者からの相談が増える傾向にあります。
行政動向や市場背景を踏まえて説明できる不動産事業者は、
信頼される相談窓口として選ばれやすくなります。
不動産事業者が今から注視すべきポイント
物流拠点整備が進む中で、
実務上、特に注視しておきたいポイントは以下です。
- 物流施設周辺の用途地域・都市計画
- 幹線道路沿線の土地取引事例
- 大型トラック動線を踏まえた立地条件
- 企業からの事前相談の内容・傾向
これらを整理・蓄積しておくことで、
相談があった際の初動対応力が大きく変わります。
まとめ
― 物流施設整備は「先読み型ビジネス」の好機 ―
石川県で進む物流拠点の整備は、
単なる建設ニュースではなく、
- 事業用不動産の需要構造の変化
- 土地・倉庫・工場の流動化
- 地権者・企業からの相談増加
といった、不動産事業者にとっての実務チャンスを示しています。
行政・企業の動きを早期に把握し、
「情報提供」「提案」「相談対応」へとつなげていくことが、
今後の不動産ビジネスにおいて重要になるでしょう。
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